注意点と対策

 

 

 【相談事例 1】

①勧誘時に断っているにもかかわらず、「このままだと危ない」旨のセールストークを繰り 返し、消費者に過度に不安を与えている。

②「工事は不要」と断っているにもかかわらず、強引に施工している。2 階部分についても 同様の問題がある。

③工事の内容について質問しても「大丈夫だ」という旨の説明しかせず、施工内容や施工 方法についての説明を全くしていない。

④センターが間に入れば解約に応ずるのに、消費者の解約交渉には全く応じない。

 

【相談事例 2】

①業者の勧誘方法ならびに解約の申し出に対する対応は、特定商取引に関する法律第 6 条 で禁じる「不実告知」や「威迫して困惑させる」に違反する可能性が高い。

②一般に白ありや住宅設備等の点検商法では、役務提供後に解約が合意されることが多い。 このような場合、特商法第 10 条では、役務の対価が解約料の上限と定めている。また、消費者契約法第4条に基づく取り消しとなれば、受けた利益分は返還しなければならない。 いずれにせよ、消費者には金銭的負担が生じ、業者の「やり得」になりかねない。

③年金生活者に高額なローンを組ませている。

 

【相談事例 3】

①「大幅に値引きをする」と言って勧誘しているが、実際は価格に対して情報のない消費 者の無知に乗じて誇張した価格から大幅に値引きをしたものと推定されるが、それでも実勢価格よりもかなり割高な価格で契約させている。

②「一式いくら」という金額の明示の仕方では、個々のパーツの金額及び工事代等が分からず、金額が妥当であるか否かの判断ができない。

③設計図の交付がなければ、工事終了後の様子がイメージできず、結果として「こんなはずではなかった」というトラブルになりかねない。

 

 

 

(1) 契約する前に

①訪問販売では、できるだけ契約しないこと

リフォーム工事に限らず、訪問販売での勧誘は、消費者が確かな契約意思をもたないうちに業者主導で契約させられることが多いため、トラブルになりやすい。特に、リフォー ム工事は、高額で簡単にはやり直しのできないものであるから、訪問販売では契約しない等の慎重さがほしい。

 

 

②工事を依頼するかどうかは、手間と時間をかけて十分に検討すること

住宅リフォームは、既存の一軒一軒異なる建物の手直しであるため価格や工事の必要性・施工方法・費用の妥当性等の判断が難しいものであり、手間と時間をかけて十分に検 討すべきものである。

まして、訪問販売業者の訪問を受けたその日に契約するなどあまりに軽率である。

 

 

③業者の説明を鵜呑みにしないこと

「工事をしないと家が倒壊する」「このままでは雨漏りをする」等の説明をして、消費者に不安感を与えて工事を勧誘する業者がいる。特に訪問販売に多い手口であるが、このような説明を鵜呑みにしないこと。

もし、不安を感じたら、信頼できそうな建築業者(利用したことがある業者等)や建築士等の専門家に見てもらうといった方法で確認し、助言を得ること。

 

建物の現況について文書や図面で報告書の提出を要求するのも一つの方法である。

この書面は、工事の必要性や工事方法の適否の判断資料になる上、トラブルに陥った際の解決への糸口にもなる。

 

(2)契約するときは

①複数の会社から詳細な見積りを取ること―見積書の提出を渋る業者とは契約しない― 

「今なら安くできる」と言って契約を急がせる業者がいるが、これも業者のセールストークである。

即断せずに複数の会社から見積りを取り、工事内容も比較した上で本当に安いかどうかの確認をするくらいの慎重さがほしい。

見積書を取る際には、部材毎の見積額を出してもらう等の詳細な内容を要求すること。

詳細な見積りを出し渋るようなら、その業者は「信用できない業者」と判断してよい。

なお、見積りが有料の業者もあるので、有料か無料かを事前に確認することも忘れずに。

 

②必ず改修計画図(書)、工程表の提出を求める 

必要な補修が抜けている場合や「○日かかるので○○円になる」といったセールストーク等もこれらの書類を見れば気がつくはずなので、改修計画図(書)、工程表の提出を必ず求めること。

もちろん、契約書(特に解約や保証に関する条項等)をよく読むことも大切 である。

なお、高齢者の場合、複数の業者から見積書を取ることや改修計画図(書)のチェック は難しい一面もあるので家族や知人に相談すること。

 

(3)契約した後に

①訪問販売の場合、工事が開始後でも、クーリング・オフ期間内であれば解約できる

訪問販売で契約した場合は、ほとんどの場合クーリング・オフが適用される。

工事が始まっていても、クーリング・オフ期間内(書面でクーリング・オフを知らされた日を 1日目として8日間)であれば無条件解約が可能であるし、業者に原状回復(元の状態に戻すこと)を要求することもできるので、解約したいと思ったら期間内にクーリング・オフの通知をすること。

クーリング・オフの仕方がわからないときは、近くの消費生活センターに相談すれば教えてくれる。

なお、以下のケースは訪問販売に該当しない(クーリング・オフで解約できない)ので注意すること。

・過去 1 年以内に、1 回以上の取引をした店舗販売業者と訪問販売で契約した場合

・過去 1 年以内に、2 回以上の取引をした無店舗販売業者と訪問販売で契約した場合

・自分から業者に連絡し、契約することを前提に訪問してもらって契約した場合

 

②工事が完了しても契約通りの工事がされているかを確認するまでは代金を全額支払わな いこと

工事代金を全額支払ってしまうと、不良個所があっても直さなかったり、値引きの要求にも応じない業者が多い。

だから、工事が契約通り行われているか確認するまでは代金の全額を支払わない方がよい。

もし、クレジットの分割払いで代金を支払う契約をしている場合は、クレジット会社に交渉して、不良個所等の補修が済むまで、クレジット代金の支払いを停止する等の措置を取ることもできる。

 

情報元:国民生活センター